【野球】プロ野球のFA制度の見直しについて

2024年1月23日、プロ野球機構（NPB）が現行のフリーエージェント（FA）制度について、見直しを本格的に検討していることが報じられました。その中で、人的補償の撤廃も選択肢に挙がっていることから、大きな話題となっています。

【FA制度見直し NPBが本格検討】https://t.co/r0Lo6qZjsJ

— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) January 22, 2024

現行のFA制度
人的補償の撤廃が検討される背景
人的補償の撤廃のメリット・デメリット
人的補償の代替案
まとめ
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現行のFA制度

プロ野球のFA制度とは、選手が所属球団以外の球団と自由に契約できる制度です。FA権を取得した選手は、所属球団と契約を更新するかどうかを自由に選択することができます。また、他球団と契約を結ぶことも可能です。

FA権は、日本野球機構（NPB）が定める規定を満たした選手に与えられる権利です。2023年現在の規定は、以下のとおりです。

「国内FA」

その年のシーズン開始から終了までの間に、145日以上で一軍登録され、それが8シーズンに達すると権利を取得できます。（2007年以降に入団した大学社会人出身選手は7シーズンで取得できる）また、国内FA宣言をして移籍をした選手は、シーズン中に145日以上で一軍登録され、それが4シーズンに達すると海外FA権が取得できます。

「海外FA」

その年のシーズン開始から終了までの間に、145日以上一軍登録され、それが9シーズンに達すると取得できます。また、海外FA宣言をして移籍をした選手は、シーズン中に145日以上で一軍登録され、それが4シーズンに達すると再び海外FAが取得できます。

※シーズンの一軍登録日数が145日を超えても、145日までしかカウントされない
※シーズン中の一軍登録日数が145日以下の場合は、それらのシーズンの一軍登録日数を合計して、145日に達した日数を1シーズンとする

制度のまとめ

FA制度は、選手の自由な移籍を促進し、選手の待遇を改善するために導入されました。FA制度によって、選手は実力に見合った待遇を受けられるようになっただけでなく、球団間における競争が活性化し、リーグ全体のレベル向上につながりました。

近年では、FA制度の導入や改正によって、選手の移籍が活発化しています。2023年シーズンには、複数の選手がFA権を行使して他球団に移籍しました。FA制度は、プロ野球の新たなトレンドとなっています。

人的補償とは、移籍先の球団がプロテクトした28人から外れた選手の中から1人を選ぶ制度です。人的補償を要求された移籍先の球団は、その選手を受け入れるか、金銭による補償を交渉するかを選択することができます。

人的補償の撤廃が検討される背景

人的補償の撤廃が検討される背景には、いくつかの理由があります。

1つは、人的補償によって、選手の移籍先の選択肢が狭まる可能性があることです。人的補償を要求された移籍先の球団は、人的補償を受け入れたとしても、その選手を戦力として組み込むことが難しい場合があります。そのため、選手は、人的補償を要求しない球団に移籍することを余儀なくされる可能性があるのです。

2つは、人的補償によって、選手の年俸が抑えられる可能性があることです。人的補償を要求された移籍先の球団は、人的補償の代償として、選手の年俸を抑えようとする場合があります。そのため、選手は、本来の市場価値よりも低い年俸で契約することになる可能性があるのです。

3つは、人的補償によって、FA制度の趣旨が損なわれる可能性があることです。FA制度は、選手の年俸や待遇を向上させ、選手の権利を守るために設けられた制度です。しかし、人的補償によって、選手の移籍先の選択肢が狭まり、年俸が抑えられてしまう場合、FA制度の趣旨が損なわれることになるのです。

人的補償の撤廃のメリット・デメリット

人的補償の撤廃には、以下のメリットがあります。

選手の移籍先の選択肢が広がる
選手の年俸が上昇する可能性がある
FA制度の趣旨が守られる

一方で、人的補償の撤廃には、以下のデメリットもあります。

旧所属球団の損失が大きい
選手の移籍が活発化し、球団間の戦力バランスが崩れる可能性がある

人的補償の代替案

人的補償の撤廃に反対する球団からは、人的補償の代替案として、以下のようなものが提案されています。

移籍金の支払い
ドラフト指名権の譲渡
人的補償の対象を制限

移籍金の支払いでは、旧所属球団は、移籍先の球団から移籍金を受け取り、その分だけ人的補償を要求することができなくなります。ドラフト指名権の譲渡では、旧所属球団は、移籍先の球団にドラフト1位指名権を譲渡することで、人的補償を要求することができなくなります。人的補償の対象を制限では、人的補償の対象となる選手の条件を厳しくすることで、旧所属球団の損失を抑えることができます。