2023年プロ野球日本シリーズ展望
2023年10月28日(土)、セ・リーグ覇者の阪神とパ・リーグ覇者のオリックスによる日本シリーズが開幕します。両球団は、ともにリーグ屈指の強力打線と安定した投手陣を擁しており、接戦必至のシリーズとなることが予想されます。共に関西に本拠地を置く球団同士が日本シリーズで対戦するのは、阪神と南海が対戦した1964年以来59年ぶりとなります。
両チームともに、強力な投手陣を武器にペナントレースを独走したチームカラーということで似ているチームです。CSファイナルステージも危なげなく突破しました。
阪神タイガース
阪神は、CSファーストステージを勝ち抜いた2位・広島に3連勝。すべての試合で先制点を許しました、試合をひっくり返すと強固な救援陣が抑えて逃げ切って勝利しました。
先発登板した村上頌樹投手、伊藤将司投手、大竹耕太郎投手は試合間隔があったため、本調子ではありませんでしたが、要所を抑えて崩れることなく試合を作りました。接戦に持ちこめば勝利の可能性が高く、救援陣は3試合で計9イニングを投げて無失点と完璧でした。桐敷拓馬投手、岩貞祐太投手、石井大智投手、島本浩也投手、ブルワー投手たちが役割を果たし、守護神・岩崎優投手が9回をしっかりと締めました。登板機会がありませんでしたが加治屋蓮投手、及川雅貴投手も控えていて、投手陣の安定感はセ・リーグの中で群を抜いています。
打線はファイナルステージで全体的に低調でしたが、恐怖の八番・木浪聖也選手の活躍が目立ちました。第2戦で9回二死満塁の好機にサヨナラ打を放つなど、3試合で打率.500と大暴れし、MVPを獲得しました。岡田彰布監督は3連勝の立役者として「投のMVP」に桐敷投手、「打のMVP」に木浪選手を指名しました。「甲子園では3試合あるのであと1週間もう1度打つほうも調子を上げて、もう一つ上のステージで勝ち上がれるように頑張りますので、(日本シリーズ初戦の)28日から応援よろしくお願いします」と力強く誓っています。
阪神は今年を含めてリーグ優勝に6度輝いていますが、日本一は1985年の1度のみです。岡田監督、掛布雅之選手、バース選手、真弓明信選手を筆頭に破壊力抜群の打線で守備力も高いチームでした。日本シリーズでは西武を4勝2敗で撃破。38年間の月日を経て、2度目の日本一を狙います。
オリックスバファローズ
一方、オリックスはペナントレースで2位・ロッテに15.5ゲームの大差をつけて独走し、リーグ3連覇をしたことによって、チームは常勝軍団の雰囲気が漂っています。
ロッテと対戦したCSファイナルステージでは、第1戦で絶対的エース・山本由伸投手が初回に3点を許すなど7回10安打5失点と珍しく打ち込まれましたが、打線がチャンスをきっちりモノにして9安打8得点で逆転勝利。第2戦は1点リードの9回に登板した山岡泰輔投手が逆転を許して敗れましたが、第3戦で負の流れをきっちり断ち切ります。0対0の8回に若月健矢選手、頓宮裕真選手の連続適時打で2点を奪い緊迫した試合を制すると、第4戦も初回に森友哉選手の先制2ラン、6回に杉本裕太郎選手の適時二塁打で突き放して逃げ切りました。
投手陣は質でも量でも阪神にまったく引けを取らない布陣です。先発陣は山本投手、宮城大弥投手、田嶋大樹投手、山﨑福也投手、東晃平投手と優秀な先発投手たちが揃っています。今季9勝3敗、防御率1.61とブレークした山下舜平大投手は8月下旬に腰痛で戦線離脱しましたが、十分に戦えます。救援陣も山岡投手、宇田川優希投手、阿部翔太投手、比嘉幹貴投手、ワゲスパック投手、平野佳寿投手に加え、9月下旬に左腸腰筋の筋損傷で抹消された山﨑颯一郎投手がCSから復帰したのが心強いです。
打線は今季首位打者に輝いた頓宮選手が左足甲の疲労骨折から復帰。9月中旬に離脱し、状態は万全でありませんでしたがCSでは勝負強い打撃でチームの勝利に貢献しました。森選手は西武で2度リーグ優勝を経験していますが、日本シリーズは初出場となります。大舞台で攻守の要として輝けるか。杉本選手の状況が気になります。CSに出場した4試合で打率.429、3打点の活躍でMVPに輝きましたが、第4戦で8回に遊ゴロに仕留められた際の走塁で、左足首を痛めて負傷交代しています。今季は打率.242、16本塁打、41打点と不本意な成績でしたが、短期決戦の強さには定評があります。ヤクルトと対戦した昨年の日本シリーズでは第4戦と第6戦で決勝打を放つ活躍でMVPを受賞しています。コンディションに心配を抱える中、日本シリーズに出場できるか注目です。
投手力が生命線という共通項を持つ阪神との戦いは、1点を争う拮抗した試合が続くことが予想されます。中嶋聡監督は「タイガースの応援はすごいと思いますけど、(オリックスファンも)絶対に負けてないと思います。みなさんの応援がもっともっと必要になります。よろしくお願いします」とスタンドのファンに呼びかけました。2年連続日本一へ――。舞台は整いました。
勝敗の行方は?
両チームとも強みと弱みがあり、どちらが勝ってもおかしくない状況です。阪神は打線の爆発力で勝負したいところですが、オリックスの投手陣がそれを抑え込めれば、オリックスが有利となりそうです。
ずばり、勝敗の予想は…
4勝2敗でオリックスバファローズが2連連続の日本一になると予想します。
第1戦は、オリックスバファローズ:山本由伸投手、阪神タイガース:村上頌樹投手の最最優秀防御率の投手同士の注目の対決になりました!
明日からの開幕が楽しみです!
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