【教員として働くこと】#2 転職の経緯と転職活動

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教員

私は、2022年3月まで私立の中高一貫校で7年間教員をしてきましたが、自分が中学2年から持ち上がった学年が卒業するタイミングで、学校の将来性が感じられないということで見切りをつけて転職をしました。

…というのは、嘘でもともとは退職をすることは決めていませんでしたが、最後の1年間は、同じ教科の同僚の手抜きや、管理職が現場を見ないで放置している現状に我慢ができなくなったことがきっかけで、精神的に耐えられなくなり、年末に勢いで退職願を提出していました。

前職でしか学校では働いたことがなかったので、当たり前だと思っていたことは、実はおかしなことなのだと気づくことができませんでした。私が経験した私学ならではの疑問点は以下の通りです。

まささんは1年前に転職活動をしたそうですが、教員経験も長いし楽勝でしたか?

教員経験はありましたが、楽勝ではなかったですね…。

教員の転職活動はタイミングや運の要素も重要だと思いますよ!

転職を決意した経緯

常勤講師という名の人材の使い捨て

学校によって異なると思いますが、前職の雇用の種類は、大きく分けて3つにありました。

  1. 教諭:無期雇用の正採用で、問題を起こさなければ、働き続けることができる。
  2. 常勤講師:最大3年まで更新が可能で、業務内容は教諭と同じではあるが、給与形態に大きな差がある。
  3. 非常勤講師:授業のみの契約で、持ちコマ数に応じて給与が決まる単年契約。

私は、最初は非常勤講師で採用されて、次に常勤講師で3年間働き、残りの期間は教諭で働きました。

常勤講師時代は、社会人経験があったのにも関わらず、新卒採用の教諭よりも遥かに安い給料で働かされ、労基に指摘され問題になりました。3年目を迎えたときも、常勤での採用は、教諭になれず雇い止めになっている人の方が多い現実を見てきていたので、私も切られるのではないかと思い、交渉と根回し、最終的には法的に争うつもりで戦いました。幸い、私にしかできない業務を多く抱えていたこともあって、交渉がうまくいき、教諭に採用されるときの給与を是正させた上で正採用になりました。

そもそも、非正規の常勤講師であったのにも関わらず、若いからといって、担任と教科主任、行事の責任者をやらせることはおかしなことだったと思います。

管理職が管理をしない

私が退職を決めた一番の理由は、これです。

教諭と常勤講師を合わせて教職員が60名程度の学校に管理職が4人いました。しっかりと働きやすい環境づくりや教員の授業力向上に繋がる研修、社会人としての基礎を身に付けていくことができる教育体制が整っているのであれば問題ありませんが、そのようなものはなく、新卒で働く教員は社会人として必要なことや初任者研修をすることなく、放置状態でした。また、管理職同士がお互いに牽制しあって情報共有されず、曜日によって役割が変わる日替わり管理職だったため、円滑な学校運営が行われていませんでした。

私は教科主任を5年やってきていたのですが、長年働いているベテランの教員は、授業で楽することばかり考え、生徒に丸投げの手抜きの授業ばかりで、教育効果のない授業を実施していたので、管理職に相談したところ、4人もいる管理職が誰一人として授業を見に来ることはなく、研究授業もない無法地帯でした。

教員とは、質の高い授業で生徒を提供してくことが求められるのに、実行されていないことにイライラが増していきました。辞めた今でも、管理職は何を管理していたのだろうと疑問に思っています。卒業学年の担任をやった最後の1年の終わりには、学年の進学実績に不満があったのか、管理職からの労いの言葉は一切ありませんでした。

働かないベテラン

私立の学校は、いい意味でも悪い意味でも同じ教員が長く働いています。やり方や伝統を引き継いでいくという点では、良いと思います。ただ、逆にベテランが長く働いているという立場を使いわがままを言い、若手や常勤講師に責任のある立場を押し付けるということが度々ありました。教科主任はまさにそうです。20年も30年も教員をやっている人が3年目に面倒だからやりたくないからといって、押しつけるような形でやらせるというのはおかしなことだと思います。

学期末の成績処理のタイミングでは、毎回取りまとめとチェックが終わらず、家に帰ることができず近くのホテルに泊まっていましたが、そんな苦労をしている中で、勤務時間中に体育館で毎日トレーニングをするような教員もいました。そもそも勤務時間中にトレーニングすることはあり得ないことだと思いますし、管理職に伝えても注意すらしない、そんなことが続き段々とこのまま働き続けたらずっとイライラしないといけないのかと考えるようになりました。

ここまでのまとめ

7年間働いてきましたが、私は授業の質を高めていくこと、生徒のためになることを考えること、ミスなくしっかりと業務に取り組むこと、保護者ともしっかりと向き合うこと、など自信をもって取り組んできました。

ただ、学校が求めていることは、進学実績であり、生徒が成長することや卒業するときの生徒や保護者の満足度ではなかったということに気がつきました。求めていることが合致しないのであれば、辞めるべきだったのだろうと今でも後悔はありません。30代になってからの転職は大変だということは分かってはいましたが、実際に転職活動をしたら本当に大変でした…。

急遽始まった転職活動

直接応募できる学校を探して応募

まずは、私立の学校が直接募集をかけているところを探し始めました。ただ、すべての学校のHPをみて探すのは難しかったので、調べていくと、『一般財団法人 日本私学教育研究所』というところが、全国の私学からの教員採用の案内を取りまとめていることが分かりました。年度末が近づいているので、なかなか採用情報ありませんでしたが、何校か求人を出している学校に応募をしてみました。

他には、『教員採用.jp』も情報収集に活用しました。

教員採用.jp | 私立学校の教員採用・就職・転職・求人情報サイト

現実は厳しく、担任や教科主任などの経験があっても

・書類選考が通らない
・筆記試験が解けても落とされる
・面接に進むことすらできない

30代で教員の転職活動は厳しいと実感しました。新しく採用するのであれば、すでに考え方ややり方が固まっている給与が高い中堅よりも、新たに育てていくことができる新卒の若い人を安く採用する方が学校経営的には魅力的なのだと感じました。

私立の学校が直接出している求人は、提示はされていなくても、もともと採用する人の特性が絞られている可能性があります。例えば、女性教員、バレーボールの顧問ができる人、進学校であれば学歴、など特に実技科目の教員は、書類の時点で候補をかなり絞りこんでいることが多いです。私も非常勤講師の採用をしてきましたが、ダンスが教えられる人など書類の段階である程度条件を絞っていました。

当時は、埼玉県と群馬県の境目辺りに住んでいたので、通勤圏内の私立の学校が極端に少なく、選択肢が限られていたのも苦戦していた要因でした。都内や神奈川県は私学がたくさんあるので、もう少し応募することができていたかなと思います。

教員にこだわらず転職サイトを活用

直接応募での教員採用は求められていない人材のため厳しいということで、軌道修正をすることにしました。学校にこだわらず、自分の経歴を知った上で、必要としてくれる場所で働こうと思い、転職サイトを利用し始めました。登録した転職サイトは以下の通りです。

【登録した転職サイト】
◎よく使用した ◯やや使用した △ほとんど使用していない
・マイナビ転職エージェント◎
・エン転職○
・エンエージェント△
・Doda○
・Indeed○
・リクルートエージェント△
・ビズリーチ△

まずは、どのような求人があるのか探し始めました。転職サイトごとに多くの求人情報があるため、条件を絞って検索しました。

・北関東(埼玉県東部北部、群馬県、栃木県)のエリアに絞る。
・学校に教育に関する仕事

地域的に求人の数が少なく、条件面でも前職よりも悪くなってしまうものが多かったのですが、その中で私立の学校だけではなく、学習塾なども視野に入れて数件応募をしました。

選考の流れとしては、大きく分けて2種類あり、転職サイトから直接学校や企業とやり取りをして、選考を進める直接採用形式と、転職エージェントが企業の採用の案件を持っていて、応募者と面談をして求める人材かフィルターをかけた上で、紹介する仲介形式があり、どちらが合っているのか分からなかったので、両方利用しながら進めていきました。

2月の中旬になり、順調に直接採用形式も仲介形式も書類の選考が通り、いよいよ面接の日程が決まり、内定獲得に向けて準備を進めていたら、予期せぬ事態が発生して全てが白紙に…。

突然訪れた転職活動の軌道修正

転職活動のやり直し

転職活動も順調に進み、書類審査が通り、いよいよ面接が始まる直前に、妻から思わぬ相談がありました。

前に一緒に働いていた先生から『神奈川県の外れにある学校で一緒に働いてほしい』と相談されたけどどうしよう…?

妻は、昨年度埼玉県の臨時採用で教員をしていましたが、以前一緒に働いていた先生から、一緒に働いて力を貸してほしいと相談がありました。

私は、埼玉県、群馬件、栃木県で働くことを前提に仕事を探していたので、物理的に通勤することは難しい状況になります。でも、妻が必要とされている環境で働けることも大切なことだなと思いました。

少し悩みましたが、今選考が進んでいる転職の話を全て辞退して、新たに神奈川県を中心に再度転職活動をやり直そうと決めました。この時点で2月の中旬でした。

新生活に向けての準備

2月の中旬の時点で全てが白紙になってしまいましたが、悩んでいても仕方がないので、再度仕切り直して転職活動を再開しました。

・神奈川県、都内に絞って探す。
・教育に関係する仕事に中心に探す。

転職活動がやり直しになって、転職サイトを活用して色々と調べ始めましたが、埼玉県、群馬県、栃木県に比べると神奈川県と都内は求人の数が大きく異なり、たくさんの求人があったので、探していきやすい状況でした。仕事の内容よりも、どれだけ自分のことを必要としてくれるかという観点を大切にしました。

また、新しく住む家も探していかないといけないので、妻の新しい職場から通いやすい場所を中心に、賃貸の物件も探し始めました。

選考のプロセス

直接雇用の求人と、仲介形式の求人のどちらも探して、合わせて10社程応募をしました。選考のプロセスは、企業によって異なり、対策する内容についても異なりました。私が経験した選考プロセスを紹介していきます。

・書類選考

まずは、どの企業も履歴書と職務経歴書が必要になります。直接応募の場合は、自分で内容をまとめて、応募するのですが、企業が求めている人材でなかったりすることも多いので、書類選考で落とされることも多いです。一方、仲介形式の場合は、エージェントが企業との間に入り、やり取りをしていくので、エージェントからの推薦がもらえれば、基本的には書類で落ちることはないのではないかと思います。私は3社エージェント経由で応募しましたが、全て面接へと進めることができました。あとは、仲介形式の魅力としては、エージェントが履歴書と職務経歴書の添削をしてくれるので、他の選考にも役立てていけます。

・適性検査、Webテスト

これについては、企業によって実施しているかどうかが異なります。職業適正についての適性検査を実施する企業もあれば、SPIのような一般教養や情報処理能力についてのWebテストを実施する企業もあります。私は、学生時代からWebテストは得意だったので、選考を無事に通過することができました。

・Web面接

一次面接では、若い人事担当がZoomや企業独自のWebシステムを活用したWeb面接を実施しています。どのような観点で面接をしているか詳細は分かりませんが、コミュニケーション能力や、転職の理由、職務経歴について確認する企業が多かったです。やってきたことを自信をもって話すことができれば、大丈夫でした。

・二次面接、最終面接

転職活動に関しては、新卒採用活動とは異なり、面接の回数は2~3回程度なのかなと思います。一次は人事部の若手社員、二次は部長役員クラスの面接、最終面接は社長や理事長面接、その後内定という流れでした。基本的には、二次面接の時点で雇用条件の提示があります。そこで交渉しないとあとで条件面での交渉は難しいと思います。私の場合、面接っぽい雰囲気の面接ではなく、雑談することが多かったかなと思います。

・内定

直接応募であれば、直接連絡が来て、仲介形式であればエージェントから内定の連絡が来ます。一般的には1週間以内に回答する必要があります。ただ、私は2社から内定をもらい、非常に悩み、悩んでいることをエージェントに相談しました。この時点で普通ではないと思いますが、今の職場は私と同じような経歴の中途の社員さんとのZoom座談会をセッティングしてくれて、いいところも悪いところも含めて、隠さずに話してくれたことが決め手で入社を決めました。この時点で3月24日でした。

その後、4月入社に向けて準備を進めてくれて、3月28日に入社の手続きをして、4月1日から新しい生活がスタートしました。

まとめ

ここまでが私の転職活動です。状況がコロコロ変わってあまり参考にならないかと思いますが、強い意思をもって取り組めば、必要としてくれる場所は必ずあります。

1年前の1月はまだ転職活動で動き始めたばかりで辞めることだけが決まっていて、その後は何も決まっていない状況でしたが、今はしっかりと教員として働くことができています。

転職活動は、長い道のりになるかと思いますが、自分のことを必要としてくれる場所が見つかるまで諦めないで挑戦していってほしいと思います。特に今からの時期は新年度に向けて新しく求人がたくさん出てくると思いますので、色々な視点から情報収集をしてチャレンジしていってほしいと思います。

是非、転職を検討している方は、諦めずに頑張ってほしいです。

教員として大切にしている考え方についてもまとめていますので、是非読んでみてください。

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